残債の返済は、すでに述べたように、自己資金を当ててもよいし、売買契約のさいに受け取った手付け、あるいは途中で受け取った中間金(内金)で支払ってもよい。ただここで注意しておきたいことは、当初は二〇年で返済する計画であったローンを、一〇年返済したところで一括返済する場合、それまでに返済した元金の額が意外と少ないという点である。つまり、ローンの返済は元利均等方式という方法(公庫も同じ)であり、当初のあいだは元金の返済は少なく、利息ばかり支払っている仕組みになっている。そこで、当初は二〇年返済の計画だったローンの、一〇年後に残っている元金の額は予想した以上に多いということになる。しかも一括返済する場合、残っている元金にたいして、今まで一〇年間の金利が課せられて返済することになるので、結果的には、最初から一〇年返済計画で返済する金額よりも多くの金額を支払うわけである。なお、抵当権は住宅ローンなどだけでなく、その他の個人的な借り入れにたいするものもある。こうした抵当権も抹消しておくことは当然である。また、抵当権以外の第三者による権利関係が設定されていることもあるが、こうした権利関係があると、その住宅は非常に売りにくいことになるので、引き渡しまでに抹消するというのではなく、できれば売りに出すまでに抹消しておくこと。買い主は、登記簿謄本によって権利関係を知り、それが複雑にからみあっているような場合には、購入を避ける傾向が強いからである。
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