買い替えはほぼ絶望的

2011.10.14

昨冬、終息した第六次マンションブームが一次取得者中心の底の浅いものになったのは、このことが影響している。普通、買い替えの場合、「いま住んでいるマンションの売却価格」と「預貯金残高」の合計から「住宅ローンの残高」を差し引き、残った金額を買い替えの頭金にして、不足分はまたローンを組むことになる。買い替えができるかどうかを知るには、日本債権信用銀行が九四年十一月に発表した「買い替え可能度」というデータが役に立つ。これは対象世帯の年収から年間返済可能額を算出しこれを新しく組む住宅ローンの年間返済額で割った数値。たとえば購入後八年経過の世帯が、神奈川、千葉、埼玉などの周辺部から東京二三区の同一面積(六五12)のマンションに買い替える場合の試算を見ると、バブル期前の八一〜八六年に購入した世帯は神奈川から東京二三区への移動は「二以上で可能、千葉・埼玉から東京二三区へは「〇・九」でちょっと苦しいが不可能ではない、という結果が出ている。しかし八六年を境にこの数値はすべて下がり、バブルがピークだった九〇年、九一年は「〇・五」前後で、買い替えはほぼ絶望的である。バブル崩壊後は一次取得者向けに安さだけを狙ったため、粗製濫造マンションが少なくない。ましてや都心から一時間も電車に揺られた挙げ句、バスの世話になるようなマンションは、まず買い手はつかないと覚悟した方がよい。維持管理かきちんとできて一生住めればいいが、格安の低レベルマンションが果たしてどれだけもつか。買い替え不可能な立地の悪い低価格マンションには絶対に手を出すべきではない。

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